石河真幸先生(NHLBI, NIH)at JSSB

JSSB

9月も後半になり、MDでは肌寒さを感じる季節となりました。長袖が必要な日が増えてきましたね。

さて、先日、JSSBにて石河真幸先生(最近UPennからNIHに異動されました)にご講演いただきました。私は先生と直接の面識はありませんでしたが、金曜会での中坊さんの推薦により講演をお願いしたところ、快くお引き受けいただきました。

講演をお願いした当時は先生がUPenn所属だったため、ご自宅のあるベセスダに帰る途中でお立ち寄りいただければと思っていたのですが、NIHに異動されたため、今回は車でお越しいただくことになりました。ボルチモアとDCエリアは夕方になるとほぼ毎日渋滞しているため、移動には1時間半から2時間ほどかかります。DC方面からお招きするスピーカーの皆さんには毎回申し訳ない思いです。

講演は研究とジョブハントの2部構成でした。研究の部では、先生が今年Nature(リンク)に掲載された、パネキシン3による形質細胞の長期生存のメカニズムに関する研究についてお話しいただきました。パネキシン3に注目した経緯や、研究の苦労話など、非常に興味深いものでした。特に、長い時間をかけて作成したモデルの結果が期待外れだった時の落胆から、最終的にNatureに掲載されるまでの巻き返しは印象的でした。

ジョブハントのパートでは、先生のこれまでの研究人生を振り返りながら、アメリカでの成功の秘訣について共有していただきました。(今の石河先生が思う)アメリカのアカデミアで生き残るために必要な要素として、石河先生は以下の3点を挙げられました:1. グラント(資金調達)、2. 論文(NCSなどトップジャーナルに限る)、3. 幸運(うろ覚えですが)。また、コネクションについては「潤滑油程度の役割でしかない」というお考えでした。一方で、聴衆の中には、コネクションや論文をより重要視する人も多く、この辺りは個々の見解や分野、目指す機関のレベルによる違いかと思います。私自身は、運と縁が最も重要で、その次に論文(姉妹紙以上)、そしてコネ=資金調達だと思います。ちなみに日本のアカデミアでは、出身大学や所属ラボ、保有資格といった、いわゆる「コネ」に分類される要素が非常に重要だと思います。
さて、私自身はどれも持ち合わせていないので、今後どうしたものか。。。

現在も、石河先生は独立ポジションを求めてジョブハントを続けておられ、近いうちに「石河ラボ」が誕生しそうです。また、若手研究者を集めたオンラインジャーナルクラブも主催されており、精力的に活動されています。

懇親会は近場のPeter Changで行いました。ここは使い勝手が良いので、今後も懇親会の定番にしても良いかもしれません。

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