江崎治朗 先生(厚生労働省大臣官房厚生科学課/メリーランド州監察医局派遣)at JSSB

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寒さが一段と増し、あっという間に11月末を迎えました。私の留学生活も5年目が終わろうとしており、仕事に加えてさまざまな事務手続きに追われるうちに、月日が過ぎていきます。

さて、今回は久々の更新となります。先日、JSSBにて江崎治朗先生(厚生労働省大臣官房厚生科学課/メリーランド州監察医局派遣)に講演していただきました。その内容について少しご紹介します。

江崎さんは、広島大学で医師免許を取得された後、初期研修を経て東京女子医科大学で法医学の教員を務められました。その後、かねてより希望されていた厚生労働省に医系技官として入省され、多くのプロジェクトに携わってこられました。

現在、江崎先生はメリーランド大学の修士課程に派遣され、メリーランド州監察医局で実地研修をされています。講演では、死因究明制度の基本から、アメリカ・メリーランド州の死因究明の実態、そして日本や諸外国との制度の違いについて話していただきました。日本の制度はドイツ式を基盤とししているようですが、現状、解剖率や法医学者の数が十分とは言えない状況です。他国の良い部分を取り入れつつ、日本に適した制度構築が望まれますね。さらに、実際の症例をいくつか紹介してくださり、参加された医師の先生方とのディスカッションも活発に行われました。江崎さんはまた、出張や旅行を通じて世界各地の死因究明に関わる施設を訪問しており、その行動力と勉強熱心さには感心しました。

江崎さんのお話を聴いていると、私自身も大学院生時代を思い出しました。当時、教授が嘱託した司法・行政解剖に広島県警や海上保安庁の方々とともに参加させていただき、4年間、解剖に携わったことが印象に残っています。具体的な件数は覚えていませんが、150件程度はあったのではないかと思います。記録を残しておけばよかったなと思います。解剖に慣れるまで大変でしたが、県警の検視チームの方々は本当に頑張っていらっしゃったと思います。いろんな意味で。

余談ですが、江崎さんとは大学の別学部の同期で、法医学研究室の同門です。ただ、彼は博士号を遠隔で取得したので、私が日本にいる間には直接の面識がありませんでした。JSSBの懇親会で初めて声をかけていただき、ボルチモアで初めて会うという不思議な縁でだと思います。同門ということもあり、共通の話題で盛り上がることができました。

今後、江崎さんは研修を終えられた後に厚生労働省へ戻り、引き続き日本の公衆衛生の維持向上のために尽力されるとのことです。同門として心から応援しています。

最後に、こちらは一緒に紅葉狩りに行ったShenandoah公園での写真です。

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