日本帰国中、ACNPでお世話になった池田和隆先生にご挨拶に伺いたいとご連絡したところ、研究発表の機会までご提案いただき、せっかくの機会なのでお引き受けしました。
池田先生は長年、東京都医学総合研究所でPIを務められ、近年は国立精神・神経医療研究センターでも部長を兼任しながら研究室を運営されています。さらに、いくつもの学会で会長や大会長、委員を歴任され、日本の薬物依存症研究分野を牽引してこられた方です。
正面入り口?
当日は研究所とラボをご案内いただきました。建物はとてもきれいで、大学よりも設備が整っている印象を受けました。東京都の運営ということもあり、手厚いサポートがあるようです。もちろん外部資金の獲得も奨励されていますが、大学、国立研究所と比べると財政面では安定しているように感じました。一方で、学生や若手人材は外部から呼び込む必要があり、待っているだけでは人が集まらないため、PI自身の発信力が重要になるのだろうとも思いました。
私のトークでは、NIDAで取り組んでいるニコチン依存に関わる神経回路の仕事を紹介しました。まだプレリミナリーデータばかりでしたが、参加されていた井出先生から多くの質問をいただき、大変ありがたかったです。
その後は研究所近くの創作和食のお店に連れて行っていただきました。池田先生曰く「この周辺で一番おいしい」とのことでしたが、確かに美味しいお料理でした。
かわしまや
また、日本における依存症研究の現状についても伺うことができました。日本では臨床研究が中心で、基礎研究を行っているラボは限られているとのこと。私自身、依存症研究に本格的に関わるようになったのはNIDAに来てからで、日本のラボや先生方についてはまだほとんど知識がありません。分野的には精神科や薬学部が中心のようですが、今のようにマウスを用いた神経回路レベルの基礎研究でポジションを探すのはなかなか難しそうだと感じました。もっとも、現在は睡眠・呼吸の研究もはじめましたし、自分に合う場所があるとは思うのですが。
池田先生、本当にありがとうございました。


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