まだまだ三寒四温で寒暖差の激しいボストンですが、春の花も見ごろを迎えています。
ボストン市街の桜
先日、肩書が変わり、タイトルの頭に「Senior」が付きました。CVだけ見ると出世したようにも見えますが、実際には採用時にHRが誤って一つ下のタイトルで私を登録していただけです。内部的には違いがありますが、仕事内容や待遇に大きな変化はなく、実質的には肩書の修正(Amendment)でした。正直なところ、かなり無駄な労力だったと思います。
さらに、このミスのせいで職場には余計なコストも発生しています。研究室から支払われているわけではないとは思いますが、決して安い額ではありません。H-1Bビザの場合、肩書や待遇の変更には、たとえ軽微な変更であっても、DOLやUSCISへの手続きが必要になる場合があります。研修ビザ(J)や学生ビザ(F)とは違い、雇用条件との結びつきが強いため、扱いがかなりセンシティブです。
しかも今回は、プレミアムプロセスの費用だけで $2,965、さらに弁護士費用なども加わります。私の場合、HR側のミスを修正するために、職場はおそらく合計で $4,000〜$5,000 程度を支払っているのではないかと思います。
「通常プロセスでやればよいのでは」と思うかもしれませんが、通常プロセスはかなり時間がかかります。新規申請では提出から少なくとも数か月、場合によっては半年以上かかります。Amendmentがどの程度かかるかはケースによりますが、2〜8か月程度は見込む必要があり、全体としては1年近くかかる可能性もあります。一方、プレミアムプロセスでは、USCISが一定期間内に最初の審査対応を行うことになっています。
ちなみに、私の肩書変更の件は、USCIS部分をプレミアムプロセスにしても、動き出してからすべてが終わるまでに4か月ほどかかりました。通常プロセスで進めていたら、各ステップがさらに遅くなり、承認が出る頃には退職していたかもしれません笑。したがって、よほど時間に余裕がある場合を除き、ビザ関係で選択可能ならプレミアムプロセスを使う方が現実的だと思います。
Haborwalkらへん
ここからは、HRやアドミン系の対応についての愚痴です。
この件について、HRから私に直接の説明や謝罪はありませんでした。一方で、弁護士事務所からは一から書類(個人情報、学歴職歴、etc)を提出するよう求められ、こちらは余計な作業を強いられました。
さらに驚いたのは、通知、進捗報告、相談がほとんどないまま、肩書の変更がいつの間にかシステム上で反映されていたことです。ボスから「多分もう変更されたと思うから、システムで確認してみて」と言われ、そこで初めて変更に気づきました。さすがにこれは少し異常だと思います。
赴任してから徐々に感じていますが、こちらのHRはかなり微妙な印象です。病院系なので、直接お金を生む部門ではない研究者の扱いが雑なのかもしれません。ただ、ラボミーティングでも事務手続きの問題はたびたび話題になるので、個別の担当者だけでなく、組織全体の運用にも問題があるのかもしれません。NIDA/NIHにいた頃は、ここまでひどい印象はありませんでした。ただ、当時も色々あったかもしれませんが、スムーズにいかないことに慣れてしまっていただけかもしれません。。。
これはアメリカに留学している日本人の多くが共感してくれると思いますが、こちらのアドミン系の対応は、全体としてかなりばらつきがあります。担当者による差が非常に大きいのも特徴です。その代表例が、ソーシャルセキュリティ事務所や州の運輸局、つまり運転免許や車関係の手続きでしょう。留学や駐在で“外れ”の担当者に当たった方は、かなり大変な思いをされたのではないかと思います。海外居住の洗礼の一つですかね。
*個人の感想です*
他の国も同じなのでしょうか。日本の行政サービスは国内では批判されることも多いですが、少なくとも事務系・サービス系の対応には一定の水準が保たれていると思います。だからこそ、日本では少し対応が悪いだけでも苦情が出やすいのかもしれません。もちろん、日本の大学でも教員が事務方に不満を持つという話はよく聞きます。逆もまた多いでしょう。ただ、日本では少なくとも「きちんと対応するべき」という意識が、組織全体に比較的残っているように感じます。
一方で、こちらのアドミン系では、頑張っても給与や評価に直結しにくい、評価されないサービスには力を入れない、そもそも仕事の基準が共有されていない、といった理由で対応の質が下がっているのかもしれません。日本では、少なくとも以前は、どの部署にもある程度の奉仕の精神や「良い仕事をしよう」という意識があったように思います。ただ、その考え方は今の世代には通じにくくなっているのも事実です。日本でも事務系職員に対する正当な評価や報酬の仕組みを整えなければ、将来的には同じような方向に進む可能性はあると思います。
それにしても、こちらの事務系職の一部を見ていると、英語さえ話せれば日本でそこそこやれてる事務職の方ならすぐに管理職が務まるのではないかと思ってしまいます。もちろん皮肉ですが。。。
